河村勇輝は福岡第一から三遠ネオフェニックス、そしてさらなる飛躍へ「高校生ではできない経験をしている」 - バスケットカウント

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河村勇輝は福岡第一から三遠ネオフェニックス、そしてさらなる飛躍へ「高校生ではできない経験をしている」 - バスケットカウント

河村勇輝

2月23日、福岡第一高校バスケットボール部のインターハイとウインターカップの優勝祝賀会が開催された。この会は保護者やOBなど後援会が主催するアットホームなもので、ウインターカップ優勝を最後に部を離れた3年生も集まった。ポイントガードとして数々の勝利に貢献し、今年に入ってからは三遠ネオフェニックスの一員としてBリーグでも大活躍する河村勇輝も参加。高校バスケの3年間をともに戦った仲間たちとともに、リラックスした表情を見せた。

「バスケなくして何もない、忙しいぐらいで良い」

──日本代表のスプリングキャンプも始まっていますが、久々にリラックスできているようですね。

そうですね。金曜に実家に戻り、土曜は挨拶だったりいろんな整理をして、今日この会に来ることができました。リラックスできる場所はいろんなところにありますが、やっぱりずっと住んできた家だと一晩寝るだけですごく良いリラックスになりました。でも僕はバスケなくして何もない人生だし、なかったら変になっちゃうと思うので、忙しいぐらいがちょうど良いと思っています。そういう環境があることは自分にとってはとても良いことです。

──Bリーグのレベルでバスケットができるのは貴重な経験だと思います。自分の中での変化はありましたか?

三遠とスプリングキャンプでやっているバスケットのプランだといろんな違いがあります。移動も多いので臨機応変に対応していかないといけない。そういった意味で身体のケアは普段以上に、バスケットの違いは頭で整理しながらやっています。その変化は高校生ではできない経験なので、すごくありがたいです。

──4月からは東海大に進学します。

Bリーグは今の日本で一番レベルが高いところで、そこでいろんな経験をして自分に足りない部分とかを感じています。その足りないものを大学で成長して埋められると思っているので、大学でも充実した生活ができればと思います。

──スプリングキャンプでは西田優大選手、佐土原遼選手、大倉颯太選手、八村阿蓮選手と、東海大でチームメートになる選手がいます。東海大のバスケ部に入る前に良い予習になったのでは?

東海大のバスケはこうだ、という話は特にしていませんが、U18日本代表でも1個上までで、2つより上の先輩とはかかわることがあまりなかったので、そういう意味ではU22で年上の先輩と一緒なのは新鮮でした。特に颯太君とか阿蓮さんとか、これから一緒のチームになる先輩方とコミュニケーションを取れたのは良かったです。

西田さんはA代表の候補みたいな感じで、それで東海大では4年と1年でかぶるので、A代表でどんなことを学んだのか、これから聞きたいです。颯太君は1番ポジションなので一緒にやることはあまりなかったんですけど、マッチアップしてすごく上手いという感じはあって、東海大で2ガードでやってみたいです。阿蓮さんは留学生に近いゴール下での力強さがあって、福岡第一のスティーブより外からも動けたりするので、もっと一緒にやってみたいです。

河村勇輝

「これだけ負け続けたのは初めて」

──三遠では加入から8連敗、スプリングキャンプの前に初勝利を挙げることができました。

そうですね、月曜から金曜まで練習して土日の試合にコンディションを整えて臨むのが、これからは難しいと思っていたので、完全なコンディションで臨める最後の試合で勝ち切ることができたのはとても良かったです。井手口(孝)先生の前で勝ちたかったので気合いも入りました。恩師と両親が来ていたので変に力んでしまったのですが、それは仕方ないことで、勝てて良かったです。

──これだけ注目されて、河村選手としても高校生というのは関係なく責任を持ってプレーしていました。

0勝と1勝では全然違うと思っていました。チームも1勝すれば何かつかめると思うし、自分も1回勝てば『勝つプラン』が見えてくると思っていて、そういう意味では少し肩の荷が降りた気持ちはありますけど、一応最初の記者会見では10勝させると大胆な発言をしたので(笑)、それにできるだけ近づけるよう頑張っていくだけです。

──ずっと勝ち続けてきたイメージですが、これだけ負け続けた経験はなかったのでは?

そうですね。小学校、中学校、高校も負けたことはありますが、これだけ負け続けて「どうすれば勝てるんだ」という気持ちになったのは初めてだったので。そういう意味では自分的にも良い経験になりました。勝った試合って、良いイメージがあるのでなかなか何がダメだったのか振り返ることができないんですけど、こうして一から試合を振り返ることはすごく大事だと気づきました。勝ってもそうやっていれば、勝ち続けることができると思います。

河村勇輝

「高校生で培ったことをプロの立場でやっているだけ」

──福岡第一ではずっと負けていなかったですよね。

3年間ほとんど負けていないですね。2年生、3年生で第一での公式戦では一度も負けていません。負けたのは日本代表のアジア大会と、1年生の時に大濠に負けたことぐらいなので。こうやって自分のチームが連敗したのは初めてです。

メンタル的にはやっぱり苦しかったですね。新潟戦や滋賀戦では自分としても確率良く点が取れたのに勝てない状況が続いて、点が取れても勝てないのであればパスでと思うのですが、チームメートとは1カ月も一緒にやっていないのでお互いに合わない部分があって、自分のプレーをどうやって勝ちに結び付けるのか本当に難しいなと思いました。でも、そうやって悩んでいた時に井手口先生や中村和雄先生から「気にすることないから、仲間のことを考えすぎずに自分のプレーをしっかりやれ」と言っていただいて、それを受け入れたというか。ちょっと無責任かもしれないですけど、2カ月しかいられないから自分のできることをやろうと切り替えました。

高校生の時より自分の時間が増えたし、その時間でどれだけバスケットに向き合って練習できるかを考えました。チームの先輩方より出してもらっている以上は、早く来たり遅くまで残ってシューティングをしたり、フリーの日も体育館で練習したり、自分の練習を見直しました。

──しっかりしているのは以前からですが、なんかプロになって河村選手が遠くなった感じがします(笑)。

そんなことはないですね(笑)。福岡から愛知に行ったので、そこはちょっと遠くなったかもしれませんが、多少はプロ意識を持つようになったとしても心の奥には高校生の部分がちゃんと残っているので、そこは遠くなってないです(笑)。

──三遠での取材の受け答えもしっかりして、流石だと思いました。

やっぱり高校生のうちにたくさんの取材を経験させてもらったので。だから会見でも緊張した感じはなかったです。

──そういう部分も含めて「プロでも結構やれる」という感覚は得られましたか?

高校生で培ったことをプロの立場でやっているだけで、プロだから成長したとは思わないですね。まだまだこれからです。

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