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日航機墜落から37年 遺族ら御巣鷹慰霊登山 「父親になった 来年はみんなで来る」 継承誓い シャボン玉空へ - 東京新聞
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【当時は母のおなかの中 小沢さん親子が報告】小沢孝之さんの墓標に手を合わせる長男の秀明さん（右）と、妻紀美さん＝いずれも上野村で
日航ジャンボ機墜落事故から三十七年。今年も八月十二日に多くの遺族が、群馬県上野村にある墜落現場の「御巣鷹の尾根」で、墓標に花や水をささげ、新しい家族ができた報告や感謝の言葉をたむけ、故人を追慕した。遺族の高齢化が進む中、「昇魂之碑」の前では子どもたちがシャボン玉を飛ばし、慰霊を継承していく思いを示した。（石井宏昌、羽物一隆）
「父親になったよ。見守ってください」。父親の小沢孝之さん＝当時（２９）＝を亡くした兵庫県芦屋市の秀明さん（３６）は、母親で大阪府豊中市の紀美さん（６６）と尾根を踏み締めた。今年三月に秀明さんの長女が誕生したことを報告し「来年はみんなで来るから」と語りかけた。
墓標にはビールを供え、秀明さんが長女を抱いている写真を掲げた。事故当時、紀美さんのおなかにいた秀明さんは「父は子どもが生まれてくるのを楽しみにしていたと聞いた。孫の誕生をどんなに喜んでくれただろうか」と思いやった。
「昇魂之碑」前でシャボン玉を飛ばして追悼する遺族ら
紀美さんは「父親に抱かれたことがない子が父親になって子を抱いている。つながっていると感じる」と話し、墓標に「あなたができなかった分も秀明が抱っこするから、どうか守ってください」と語りかけた。
その上で「事故は一瞬で人生を変えてしまう。この日が事故を忘れないという日であるのはもちろん、今の幸せを大事に、周りの人を大事にしようという日になってほしい」と願った。
夫の佐田弘さん＝当時（５３）＝を失った埼玉県所沢市の和子さん（８６）は登山口近くまで来たが高齢のため登山を断念。同行した弟の中村晴男さん（７９）と友人に思いを託した。和子さんは「夫に一番近い所。毎年必死に登ってきたが年々厳しくなって」。中村さんは「事故を風化させないためにも続けることが大事。年ごとに登るのが大変になるが訴え続けたい」と話した。
嶋田拓夫さん＝当時（４７）＝の長男で、東京都小金井市の恭介さん（５３）は「墓標に来ると、父の子として恥ずかしくない生き方をしようと思いを強くする」と言う。父からは「時間を大切に」とよく言われていたが、「大人になってから言葉の重みが分かるようになってきた」とかみ締めた。
いとこの山岡智美さん＝当時（１６）＝と薫さん＝当時（１４）＝を亡くした、神奈川県横須賀市の小川勉さん（５１）は「海へ一緒に遊びに行ったりしていた。来年も来るねと声を掛けた」と語った。
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August 13, 2022 at 06:01AM
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