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「会社がなくなる恐怖を知らないのか」 目を疑った大量在庫の山、頭をよぎる苦い過去 - 沖縄タイムス
[中小企業のチカラ 経営革新の現場] エアポートトレーディング(上)
那覇空港で土産品販売などを手掛けるエアポートトレーディング(那覇市)。2012年9月、丸橋弘和氏(64)は社長に就任して間もないころ、在庫管理の社員からこんな相談を持ち掛けられた。
「実は、商品にならない在庫があるんです」。
案内された倉庫には、商品の検品が間に合わず、卸業者へ返却できない不良品があふれていた。額にして約300万円分。自分の目を疑った丸橋氏が理由を問うと、社員は「取り扱う商品が多くて、在庫管理に追われ、検品する時間がなかった」と申し訳なさそうに答えた。
売店やほかの倉庫を回り、取り扱う商品の種類や在庫を確認した。細かく分類すると商品は7千種類。在庫数は約4700万円分もあった。
◆「売れている」
同社は、那覇空港ビルディングが直営していた土産品店を業務委託する形で関連会社として立ち上がった。
以前、航空会社で勤めていた経験から、請われて社長に就いた丸橋氏だが、当時は経営に携わらない非正規社員がほとんどで、肝心の利益を詳細に把握している社員はだれひとりいなかった。
だが、沖縄を訪れる観光客の増加が売り上げを後押しし、多くの社員が「売れているから大丈夫」という感覚が根強かったという。
◆時間かけ説明
「企業の利益は社員の幸せに直結する。今のままではまずい」。以前勤めていた航空会社の日本エアシステム(JAS)が経営難を理由にJALと経営統合し事実上「倒産」したことや、統合先のJALでも11年に経営破綻を経験するなど、過去の苦い記憶が頭をよぎった。
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February 14, 2020 at 04:20AM
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