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「国葬反対」福島原発事故の被災者が声を上げる理由 [国葬]:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
taritkar.blogspot.com【山梨】2011年の東京電力福島第一原発事故で、福島県から母子で同県外に避難した女性が、安倍晋三元首相の「国葬反対」を訴えている。大学教授ら同じ思いを持つ人たちと、27日の国葬当日まで語り合う場を企画した。原発事故と国葬には「深いつながりがある」と考えている。
女性は甲府市でピアノ教室を営む小河原律香(りか)さん。11年前の3月11日、福島県須賀川市で震災に見舞われた。その日初めて3歳の娘を保育園に預けたが、2時間後に再び引き取った。血縁者と身を寄せ合い、不安な一夜を過ごした。
翌日、沿岸の津波被害と原発事故を知り、できるだけ遠くに逃げようと決意する。だが、体の不自由な祖母を見守り「ここで運命を迎える」と言った両親は残さざるをえなかった。
幼い娘と身重の妹、妹の夫の4人で車に乗り、街灯もついていない真っ暗な国道をひたすら南下した。「小さい子を抱えて逃げ場を探し、うろうろするしかないお母さんとたくさん出会った」と明かす。
同年11月から甲府市で暮らし始め、落ち着いてから移住者と地元住民の交流活動を始めた。17年にブックカフェ「本と珈琲(コーヒー)カピバラ」を開いて活動拠点にした。
被災体験を通じて感じたのは「国家は国民を切り捨てる」ということだった。国策と言われた原子力発電を推進した結果、多くの被災者が逃げ惑ったのはその典型だと考える。
原発の危険性があらわになった事故から11年。今もふるさとに帰れない人がいる。しかし、7年8カ月にわたった第2次安倍政権は「原発回帰」を進めた。長期政権下で貧困や格差があらわになり、統計不正などの問題も続出。森友学園への国有地売却をめぐる文書改ざん問題では自ら命を絶つ公務員も出た。
ジェンダー平等の推進が後れを取り、霊感商法などの問題を抱える世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政権の癒着が進んだことも理由に挙げる。
「差別に痛めつけられたり、経済的に苦しんだりしている人の声は政府に届かない。その一方で、元首相一人を弔う国葬には巨額の税金がつぎこまれようとしている。納得できません」
そこで考えたのが「国葬反対カフェ」だ。同じく移住者で東京経済大教授の早尾貴紀さん(社会思想史)らと企画し、読書会や演劇上演などをする。「学習や意思表示を通じ、国葬に抵抗していくことが民主主義を守ることにつながると考えます」と話している。(吉沢龍彦)
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カフェは24、25日と国葬当日の27日に「カピバラ」(甲府市大手2丁目)で開く。主な企画は次の通り。参加費は1日500円。問い合わせは小河原さん(080・5517・4897)へ。
〈24日〉午後4~7時 フリートーク▽午後7~8時 演劇「明日のハナコ」上演、アフタートークも
〈25日〉午前11~午後1時 山口智美氏(ジェンダー、フェミニズム研究)オンライン講演会▽午後1~3時 ジェンダートーク
〈27日〉午前11~午後1時 「国葬の成立」(宮間純一著)読書会▽午後3~4時 山梨県護国神社見学ツアー
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