中国全人代常務委、大会日程議論か 2次流行を懸念 - 日本経済新聞

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中国全人代常務委、大会日程議論か 2次流行を懸念 - 日本経済新聞

【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会を運営する常務委員会は26日から29日まで常務委を開く。3月5日に開幕するはずだった全人代が延期になっており、新たな開幕日を議論するとの見方がでている。習近平(シー・ジンピン)指導部は新型コロナウイルスの収束を見極めつつ開幕の可否を判断するとみられる。

全国人民代表大会は延期になったままだ=ロイター

全国人民代表大会は延期になったままだ=ロイター

全人代は中国の憲法で年に1回の開催が義務づけられている。1998年以降は毎年3月5日に開いてきたが、2020年は新型コロナのまん延を理由に延期された。

香港紙の星島日報は全人代を5月23~30日ごろ開く可能性があると伝えた。同時期に並行して開く中国の国政助言機関である全国政治協商会議(政協)は21~27日の日程と予測している。中国メディアも5月中下旬の開幕を予想する見方が多い。

習指導部は初動対応の遅れが国内外にウイルスを拡散させたと米国などから批判を浴びている。全人代を早期に開き、世界に先駆けてコロナへの「勝利宣言」を行い、求心力を回復したいのが本音とみられる。ある共産党関係者は「全人代は習指導部の指導力をアピールする宣伝の場になるだろう」との見方を示す。

全人代は全国から地方代表らが北京に集まり、首相が説明する経済政策運営などを議論する。首相が全人代に示すその年の経済成長率目標は世界景気の動向を左右しかねないだけに注目が集まる。国際通貨基金(IMF)によると、20年は新型コロナのまん延で世界経済の成長率はマイナス3%との予測もでている。

全人代は国と地方の予算を承認し、大規模な減税や債券の発行も決めることができる。中国の20年1~3月期の経済成長率は前年同期比マイナス6.8%と初めてのマイナスになり、景気に急ブレーキがかかっている。外需も弱く、先行きの不透明感が高まっている。

08年のリーマン・ショック時には当時の最高指導部が「4兆元(当時の為替レートで約56兆円)対策」を素早く打ち出した。今回は大規模な経済対策をいまだに示せていない。景気刺激の観点から全人代の早期開幕を求める声が上がっている。

習指導部が警戒しているのは新型コロナの第2次流行が国内で始まり、再び全人代が延期に追い込まれる事態だ。今回は全人代で初めてネット会議を導入し、北京に人が集まらないようにする方策も取り沙汰される。開幕をめぐり難しい判断を迫られそうだ。

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