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【気になる新人】ACE COLLECTION 王道と個性が交錯する音楽を、自由に奏でる大物ルーキー(田中久勝) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
スーパールーキーの登場――4ピースバンドACE COLLECTION(エース コレクション)には、そんな言葉を使いたくなる魅力がある。楽曲から漂う色々な音楽性が、一曲の中で多くのフックとなって、どうにも気になってしまう。メンバーそれぞれの高いスキルを感じさせてくれるサウンド、ハイトーンで色気を感じる表情豊かなボーカルと、“総合力”の高さですでに多くのファンを獲得している。4月8日ミニアルバム『L.O.V.E.』でメジャーデビューを果たすたつや◎(Vo/G)、LIKI(G)、奏(B)、RIKU(Dr)にインタビューした。
YouTubeで、エド・シーラン「Shepe of You」とヒットソング19曲をマッシュアップさせた動画を配信し、注目を集める
ACE COLLECTIONは2017年結成。同時にYouTubeでカバー動画の配信をスタートさせ、エド・シーランの「Shape of You」のトラックとヒットソング19曲をマッシュアップさせた動画が人気を集め、SNSで話題になった。これだけ書くと「ネット発のバンド」と思われてしまうかもしれないが、そうではない。彼らはライヴハウス、ストリートシーンにもつながるバックボーン、そこで培った確かな実力があってこそのYouTubeでの表現だった。まるで引き寄せ合うように出会った、バンド結成前夜について話を聞いた。
実力派の4人が運命的に引き寄せ合い、結成
「元々全員別のバンドで活動していて、でもお客さんが一向に増えないという共通の悩みを持っていました。僕も20歳になって、父親から人生をちゃんと考えろ的な言葉をもらって、でも絶対音楽で飯を食っていきたかったので、現実的なことを考えるようになって、そんな時に、たつや◎の弾き語り動画をTwitterで見つけて。アッ!と思ってすぐにDMを送りました。すぐにライヴを観に行って、その後ご飯に行って、一緒に組んだら成功できるんじゃないかなと確信しました。それで、帰って深夜にたつや◎に電話をして、一緒にやらないかと言って、その後、奏くんにも電話をして、次の日3人で会いました。そこで各々が今やっているバンドを辞めることができるなら、一緒に組もうってなりました。LIKIはたつや◎のバンドのベーシストだったので、実はその時に辞められた側なんですよ(笑)。LIKIはギタリストが本職なんですが、そのバンドではベースをやっていて。でも新バンドのベースは奏君なので、LIKIはギタリストに戻ってもらいました。結果的にピタッとはまりました。この時の2週間で、全部の歯車が重なって動いた感覚があります」(RIKU)。
実力派の4人が運命的に引き寄せ合った。小学生の頃から天才ドラマーとして注目を集め、6年生の時X JAPAN・TOSHIのソロプロジェクトのドラマーに選ばれ、話題になったRIKU、ヴィジュアル系バンドで活躍し始めたLIKI、地元・沖縄でバンドを結成し、音楽番組のオーディションの全国大会に出場し、一目置かれる存在になった奏。美しい歌声と歌のうまさが魅力的な、作詞・曲を手がけるたつや◎、それぞれがリスペクトし合える存在の4人が集まり、ACE COLLECTIONが誕生した。
4人がまず最初にやったことは、自分達の音楽、存在をより多くの人に伝えるためにYouTubeで毎日配信しようと目標を設定し、4人で一緒に住むことだった。「その時間が今のACE COLLECTIONを形成したといってもいいし、なくてはならない時間だった」(RIKU)。
「YouTubeでやってみようとなって、だったら一緒に住んだ方が良くない?ってなって。当時マッシュアップ動画って海外では結構やっていて、でもまだ日本では少なかったのでやってみようということになって、今流行っている曲をピックアップして、バンドでオケを付けたのが、初めて投稿したエド・シーランの「Shepe of You」を使ったマッシュアップ動画です」(たつや◎)。
YouTubeではマッシュアップ動画だけではなく、L'Arc-en-Ciel、米津玄師、The Chainsmokersなどカバー曲を数多く披露しているが、4人の音楽的バックボーンは全く違う。しかしそれがジャンルの垣根などを軽々と飛び越え、ロックをベースをしながらもジャンルレスで、圧倒的にメロディアスなACE COLLECTIONにしか作れない楽曲を作り上げた。
「僕は小学校5年生の時にマキシマムザホルモンの「What’s up,people?!」の動画を見て、バンドをやりたいと思いました。そこからハードコアやメタルコア、スクリーモにハマって、ラウド系のバンドがルーツにあります。UVERworldも好きだし、ダブステップやヒップホップも聴いてきました。最近はBring Me the Horizonが一番好きです」(奏)。
「僕は楽器を始めたのが中学3年生で、それまでは嵐とか普通のポップスしか聴いていなくて。バンドを始めてからレッドツェッペリンのジミー・ペイジやクイーンのブライアン・メイのような、ギターヒーローにハマって。そこからビジュアル系に興味を持つようになって、X JAPAN、Janne Da Arc、SHAME SHADEとかも聴くようになりました。その他だと、アニソンがルーツです」(LIKI)。
「僕も色々な音楽を聴いてきて、小学校の頃からX JAPAN、SIAM SHADE、海外のバンドだとSlipknotとかメタルやハードロックを中心に叩いていました。中学ではジャズをやって、ラテンも通って、高校に入ってからは、聴く音楽はバンドよりEDMでした」(RIKU)。
そして全作詞・作曲を手がけるたつや◎が影響を受けたアーティストを聞くと、このバンドの幅広い音楽性、前述した“フックの多さ”の理由がわかる。
「僕はルーツミュージックが三段階くらいあって、2~5歳が親の影響でビートルズやカーペンターズ、ドリカム、シンディー・ローパー、KISS、レッチリ。小学生に入ってからはコブクロやaiko、YUI、AI、絢香とかを歌いまくって、中学校後半からONE OK ROCK、RADWIMPS、ELLEGARDENとかバンドに出会って。それから高校生の時マキシマムザホルモンに出会い、その流れでMetallicaやSlipknotとか海外のポップパンクに行って、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ジェームズ・ブラウンなどのブラックミュージックを掘っていきました。ギターも弾くので、ジョン・メイヤーがすごく好きで、ジェフベックやクリームもよく聴きました。ACE COLLECTIONを組んでからはLIKIやRIKUの影響で、ヴィジュアル系やアニソンも聴くようになりました。その他は、今また、山口百恵、松田聖子、安全地帯とか小さい頃に歌っていた曲を改めて歌うようになって、やっぱりこの頃の歌もいいなって思います」(たつや◎)。
「今何がやりたいのか、今どういう曲を歌うべきかが明確に提示できた『L.O.V.E.』(たつや◎)
ACE COLLECTIONの楽曲はたつや◎とLIKIを中心に土台を作り、全員で構築していく。たつや◎の歌を立てつつも、それぞれのメンバーの顔が見える音、フレーズが主張し、それがひとつになって強力なバンドアンサブルを作り上げている。
「まず僕が曲のデモを作って、その後LIKIと2人でベースとなるアレンジを作ります。二人とも色々なジャンルを通ってきているので、色々な曲ができあがるし、そこからメンバーそれぞれのスパイスを加えつつ、完成させていきます。その中でも今回の『L.O.V.E.』というミニアルバムは、何がやりたいのか、今どういう曲を歌うべきかということにちゃんとフォーカスを当てることができていると思います」(たつや◎)。
そう語るように『L.O.V.E.』には聴き手をワクワクさせてくれるような、様々な音楽がパッケージされている。そんな力作の中で、特にお気に入りの曲をそれぞれ挙げてもらった。
「『ワインレッドのラビリンス』と『WaVe』です。『ワインレッド~』はエロい歌詞とメロディ、ストレートなバンドサウンドがバッチリ合っているし、途中三拍子に変化しているところも面白い。構成の面白さでいうと柴崎浩(WANDS)さんにアレンジしていただいた『WaVe』も、カッコいいですし、刺激になりました」(RIKU)。
「『ワインレッドのラビリンス』は、途中ワルツ調になるところはRIKUのバックボーンがあってだと思います。この曲のメロディも雰囲気も今っぽくない、そこが今の若い子には新鮮に感じてもらえると思う」(たつや◎)。
「『リアピックアップ』は 今まで言っていなかったですが、<リアピックアップ かますのはOver Drive 一発 S.U.H.R(サー)の赤>というこのワンフレーズの歌詞の書き方がめっちゃ好きなんですよね。歌い方も含めて単語で区切っていたり、それでどうした?って思ってしまう独特の言い回しや、答えを出さない感じがすごく頭と耳に残って好きですね。たつや◎は情景が浮かぶ歌詞を書くということは、よくインタビューでも話しているのですが、この曲は明らかなに異質。プレイ的にいうと、スラップもピンポイントでフレーズが入ってくるので、ハッとしてもらえるかなって」(奏)。
「『ワインレッドのラビリンス』は哀愁があって、今まで聴いてきた好きな曲と同じくらい、自分にはピッタリハマっていたんですけど、同じハマり具合でいうと『拝啓、君は…』です。この曲はラブソングなんですけど、メロディとしゃべり口調の歌詞の言い回しが、俺がちょっと好きだったギターヒーローが後ろで弾いているバンドで、ボーカルがピンスポットを浴びながら歌っている感じが想像できます」(LIKI)。
「『約束のしおり』です。『70億にただ1つの奇跡』もたくさんの人に聴いていただいていて、イイ曲なんですけど、『約束のしおり』は超大恋愛、大失恋後に書いた曲なんです。ものすごい感情的になったときに書いた歌詞なので、そのメモが涙で濡れているんですよ。この曲も『明日、キミのいない世界で』という映画の主題歌のお話をいただいて書き下ろしたものですが、何パターンも作っていたものの、あまりしっくりきていなかったんですが、一旦主題歌のことを忘れて、自分のその時の恋愛を思い出して書いたんですよ。ACE COLLECTIONの曲の中でも自分自身に共感するというか、何回聴いても折れそうだなってなるし、自分の心にめちゃくちゃ来る曲です」(たつや◎)。
昨年4月に行った初ライヴ『FIRST ONE-MAN SHOW“HELLO WORLD”』ではマイナビBLITZ赤坂を満杯にし、映画「明日、キミのいない世界で」の主題歌「約束のしおり」や、AbemaTVオリジナルドラマ「僕だけが17歳の世界で」の主題歌「70億にただ1つの奇跡」を書き下ろすのなど、注目を集める中でのメジャーデビューとなるACE COLLECTION。そんな大物ルーキーだけに、この『L.O.V.E.』という作品には大きなスポットライトが当たっている。
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April 08, 2020 at 05:59AM
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