Judul : “ワニくんを超える予感”とSNS反響の漫画『眠れないオオカミ』、作者「“孤独”という感情、そこから救い出される“喜び”描きたい」:紀伊民報AGARA - 紀伊民報
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“ワニくんを超える予感”とSNS反響の漫画『眠れないオオカミ』、作者「“孤独”という感情、そこから救い出される“喜び”描きたい」:紀伊民報AGARA - 紀伊民報
「100日後に死ぬワニ」がヒットをしたことは記憶に新しいが、生や死への捉え方が「ワニくんよりも直接的なメッセージ性を感じる」と話題になっている漫画がある。したら領さん(@shitara_ryo)が描いた「眠れないオオカミ」という作品だ。徐々に拡散されていき、したらさんのSNSのフォロワー数は4000人から10.7万人(2020年4月19日時点)にまで増加するほどの反響を集めている。どのような思いで描かれた漫画なのか、生や死に対する考え方を作者に話を聞いた。【漫画】孤独にたたずんでいるオオカミ、モグラが話し掛けると…? 絵本のような世界観…『眠れないオオカミ』
■「衝動の赴くままにペンを走らせた」漫画を描いたきっかけ
広い荒野に立ちすくむ一匹のオオカミ。なぜか地面に足がくっついてしまっていて、夜も眠れない状態のまま、同じ場所にずっと立ち続けている。そして、今はもういない白いメスのオオカミのことを思い出し、感傷に浸ってもいた。すると、一匹のハチがやって来て、「キミには新しい目標がいる。過去を今で埋めるんだ」と言い、花の種とじょうろをオオカミに渡して去って行く。実はそのハチも、悲しい過去を背負っていて…というのが漫画の内容だ。まるで絵本のような世界観で進んでいく漫画には「すごく続きが気になる」「この多少の重さが好き」など多くの反響が集まった。
――「眠れないオオカミ」の漫画を描き始めたきっかけについてお聞かせください。
【したら領】当時、アナログからデジタルに移行して半年ほどで、次に何を描こうか試行錯誤していたところでした。そんな時、深夜にボーッとしていると、妙に漫画が描きたくなってきて、赴くままにペンを走らせました。それでできたのが第1話のネームです。楽しかったです。それまでも好きな様には描いていたのですが…もっと初期衝動?に近い感じでした。
――Twitterへの1投稿目が18.5万件ものいいねを集め、「100日後に死ぬワニを超える予感」といったコメントも見られました。こういった反響については、あらためていかがですか?
【したら領】そこまで反響があったことが嬉しかったです。コメントはほぼ全て読んでいると思うのですが、肯定的なコメントばかりで素直に感激しております。他にも、「米津玄師さんのオオカミや、ノルシュティンのハリネズミに似ている」という感想もあって、面白いなぁと感じました。
■生や死について考えることは面白いもの「自由に捉えられるところが好き」
――とってもメッセージ性の強い漫画だと感じました。作品のテーマとなったのはどのような所ですか?
【したら領】テーマというか、描きたい感情としては「孤独」ですかね。もっと言えば誰かにその気持ちをすくいあげてもらった時の喜びと肯定感を描きたいなと思いました。ただ受動的な救いは何か都合が良すぎるなと感じるので、そこを今、悶々と考えているところです。
――反響のなかには「なんだか考えさせられる」「ワニくんよりも直接的なメッセージ性を感じる」という声も。漫画では生きることにしがみついているように見えるオオカミが描かれ続けていますが、したらさんは生や死についてどのように捉えていますか?
【したら領】生や死について考えるのは面白いですよね。とても好きです。死の国から帰ってきたことを証明した人間は今のところいないと思うので、自由に捉えられるところが好きです。自分は、螺旋階段とか、ドーナッツを捻った形だったり、ループ状だったり…宇宙の一番遠いところと、細胞の一番深いところは繋がっていてほしいなと思っています。そういう映画を小さいときに観て、妙に納得したので。
――生や死について描くために工夫された部分はありますか?
【したら領】「100日後に死ぬワニ」と比べられたこと自体が自分としては驚きで。当初は“死”をメインテーマに描き始めたわけではありませんでした。もしそこが強く伝わっているのなら、嬉しいし不思議ですね。普段から、普通にしていても誰かに「猫背だね」とか言われるので、その猫背パワーがiPadを通して皆さんに伝わっているのかもしれません。
――コロナ禍で世間自体が沈みがちですが、こんな状況の今だからこそ読者に伝えたいメッセージがありましたらお聞かせください。
【したら領】自分の漫画で、少しでも気が紛れたら嬉しいです、楽しんでくれたらもっと嬉しいです。
――今後はどのような活動をしていきたいですか?
【したら領】まずは、このオオカミの本を出したいです。そして、創作活動一本で食べていける状態を確立して、死ぬまでにより多くの作品を残していきたいです。
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April 19, 2020 at 07:16AM
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